あかがえるとあまがえると田んぼ


春。田んぼに行ってみると、「ぐわっぐわっ」っていう低い声の大合唱が聞こえてくる。この声の持ち主が「あかがえる」。格好も土色で大きいんだよ。

6月。田植えが終わって1ヶ月もたつと、稲が青々してくるよね。田んぼに行って、よーく葉っぱを見てみると、ちいちゃいみどり色のカエルがいっぱいいるね。これが「あまがえる」。

このカエルたち、昔に比べて「あかがえる」が減って、「あまがえる」の方が増えているんだよ。どうしてなのかな?
カエルは、いつオタマジャクシになってカエルになるんだろう?

「あかがえる」は、田植え前の田んぼの水溜りに産卵して、田植え前にオタマジャクシからカエルになる。「あまがえる」は田植えの後に田んぼに産卵して、中干までにカエルになるんだ。

じつは、このちょっとした違いが大きな違いになる。昔は、田んぼは冬の間も水があって、あちこちに水溜りができていた。春になって、「あかがえる」はそ ういう田んぼで産卵していたんだ。でも、最近の冬の田んぼは、畑みたいにすごく固くなっている。これは、田んぼを乾かして、重くて大きな機械が田んぼの中 に入れるようにしたり、地下水の水位を下げることで水はけを良くしたりしている。それで、田んぼがあまりどろどろしていないんだよね。

だから、冬眠していた「あかがえる」が、春に慌てて田んぼに来ても水がない。ゆっくりやってくる「あまがえる」の方が、子孫を残せるようになったんだ。

―中干(なかぼし)ってなに?―

中干ってあまり聞きなれない言葉だね。これは、田植えをした後に田んぼの水を一時的にぬくことをいうんだ。
じゃあ、どうして中干をするんだろう。
稲は田植えの時から水が必要なんだ。ところが、稲が成長して、あるていど葉っぱの数も増えてくると、今度は根が育ち始めるのさ。

そこで、この時期に田んぼの水をぬいて、土の中に空気(酸素)が入りやすくしたり、土の中にいるバクテリアなどの微生物が元気に活動できるようにして、根を育ちやすくするんだ。